こんにちは、保育士セラピストまやです。先日こんな場面を我が家で見たんです。
子どもが、とある大好きなYouTube動画を食い入るように見てました。うちでは動画の類はテレビで見るなら一日2時間程度OKにしてます。
そしてこの動画が終わって画面が消えたとたん、なぜか暴れだしたんです!…っていうと怖いけど、でもほんとに。飛んだり、跳ねたり、ウキーッ!イエーイ!みたいな。
こんな話をお客様にすると、「うちもある!」「けんかが始まることも」…そう、けっこうあるあるなんですよ。

私はこう考えます。人間は視覚からの情報に80%も頼っています。大好きなYouTube動画は、気持ちを高ぶらせ、血流を興奮状態にして、交感神経(自律神経のうちアクティブな方)をギュイーンと優位にさせます。
しかし体は動いていない。狩猟時代にはなかったアンバランスですよね…
せっかくの知能を活かしきれないまま時が流れていること。怖くなったので調べてみました。
もくじ
- スマホはこんなに悪影響だった
- いい距離のためには感受性
- 感受性の役割って?
- ほら、感受性はこんなところに
- スマホとのよい距離感の作り方
スマホはこんなに悪影響だった
あなたもスマホを触らない日はないですよね。それほどに習慣化してる「スマホ」。実はこういう悪影響があるようです。
東北大学の川島教授が「スマホが脳に与える影響」を7年間もの間、15万人を対象にして小中学生のスマホ使用時間と学力の関係を調査されました。
その結果、スマホ使用によりIQが30~40%低下することが判明したんですって!!
スマホが脳へ与える悪影響
スマホ使用によりIQが30~40%低下する
スマホ使用時、創造力・思考力・コミュニケーション能力を司る「前頭葉」の活動が低下。
ズーム会議でも前頭葉の活動がほぼ停止する
この状態を容認せず、スマホとの時間を自分なりにコントロールしながら暮らしをつくっていきたい。よい距離感で付き合える心の土台を育ててあげたい。スマホとの歴史がはじまったばかりの今、親としてそう思う方もおられるのではないでしょうか?
スマホが便利なのは事実ですが、自分(または幼い子ども)にとってストレスが少ないのはどの程度か?その答えは個人で見つけていくしかありません。
そう考えるとき大事にしたいのが、感受性。感受性を知りうまく付き合っていけば、自分にとって本当に心地よいスマホとの距離感を無理なく見つけることができます。
いい距離のためには感受性
ここで感受性について学びましょう。私はセラピストとして、ふだんから感受性を大切にしています。感受性はいろいろな種類がありますが、ここでは多くの方がわかりやすい【五感を通じてどのように情報を受け取るか】をとりあげますね。
五感のおさらいです
・視覚
周りの色や形、光の加減に意識を向けること。美しい景色やアートを観賞することで、心に潤いを与えます。
・聴覚
音楽や自然の音、声のトーンなどに耳を傾けること。お気に入りの音楽や静かな環境でのリスニングは、心を落ち着かせる効果があります。
・嗅覚
香りは感情に大きな影響を与えます。アロマや花の香り、自然の中で感じる匂いなど、心地よい香りを楽しむことが大切です。
・触覚
肌で感じる温かさや柔らかさ、素材の質感など、体に直接感じる刺激に注意を向けること。心地よい服や布団、自然の中での触感を味わうと、安心感が生まれます。
・味覚
食事を通して、素材そのものの味や風味に注目すること。ゆっくりと味わうことで、食事の時間がより充実したものになります。

子どもは五感が敏感です。まだ脳が発達中で、外の世界からの情報をたくさん取り込もうとしているからです。「あ!飛行機!」とすぐに見つけたり、「今日のお母さん、スカートはいてかわいい」と気づいたりしますね。
感受性の役割って?
感受性は、外の世界からの刺激をうまく取り込むための第一歩です。
◆心と体のバランスを保つため
感受性が高いと、環境の変化や周りの人の気持ちに敏感になり、ストレスを感じやすくなることもあります。しかし、逆にその感受性を上手に扱うことで、自分に合ったリラックス方法やエネルギーの補給方法を見つけることができます。
◆自分自身を深く理解するため
五感を通して得られる情報を意識することで、自分が何に喜びや安心を感じるのか、何にストレスを感じるのかが明確になり、自己理解が深まります。
◆人との関係を円滑にするため
自分の感覚に敏感になることで、相手の立場や気持ちに寄り添いやすくなり、コミュニケーションがより円滑に進むようになります。
私たち現代人(ホモ・サピエンス)は約20万〜30万年前にアフリカで誕生しました。自分たちの体と心を保ちながら、社会生活を築き上げながら、現在に至っています。

ほら、感受性はこんなところに
感受性は暮らしのいろいろな場面と結びついています。
「五感」があるのは、外界の刺激に反応するためと説明しました。体にとって大事なのは「初期反応」です。たとえば部屋に入った瞬間、生活臭を感じる。でもしばらくすると慣れていきます。私たちの感覚はそのようにできています。
音もそう。新幹線にのるとはじめは気になっても、しばらくすると慣れます。視覚に関しても、「うわ~TikTok、動画が早すぎて疲れる!」と思っても、数日見ているとどんどんなじんでしまいます。

こんなふうに体の「慣れ」はストレスを減らします。では感情はどうでしょうか?
初期反応はみんなありますね。見慣れない生き物を見て「怖い!」、他人の不機嫌な態度に「イライラ」、かわいいデザインに「いいな♡」
この感情、すべて初期反応が自分にとって必要なこと。しかし長く自分に居すわる、つまり「慣れる」ことは体に悪い影響を与えることがあります。考えてみてください。ずっと「怖い!」、ずっと「イライラ」してる。この時間が長ければ、体は「身を守ろう」「ピンチのときは相手を攻撃できるように構えよう」がずーっと続く。
ネガティブな感情だけではありません。「このデザイン、いいな♡」などポジティブなものも居すわり続けると、自律神経は交感神経優位が続き、筋肉は収縮、心臓はドキドキ、息は荒くなります。そう…疲れます。
感情が豊かだと疲れすぎることがありますね。感情の疲れを手放すコツがあります。感情は、初期反応を感じ取ったら、あとは手放す意識でどんどん手放していきます。(それができるスピードは、愛着スタイルによる個人差があります)
手放すことの大事さを、日本で初めてヨガを広めた中村天風はこう言っていますよ。
『わしも怒るさ。怒らないなんて誰にもできん。
でもな、怒ったら、すぐ捨てるようにしてるのさ』
他にも、感情を手放すことを大事だと言っている偉人はたくさん。
「怒りは、心の中の毒。自分にも他人にも害を与えるだけだ」
— ブッダ
「怒りは風のようなものだ。制御できると思い込んでいると、どこかへ飛ばされてしまう」
— チャーリー・チャップリン
「怒りを胸から完全に取り除くことが難しいのはわかっている。それは純粋に個人の努力だけでは達成できない。神の恵みによってのみ可能である」
— マハトマ・ガンディー
「怒りとは酸である。注ぐ相手より、蓄える器をより侵す」
— マーク・トウェイン
「感情は言葉にすると無駄になってしまうと思います。感情は全て結果を生む行動に蒸留すべきです」
— フローレンス・ナイチンゲール
スマホとのよい距離感の作り方
スマホが自分や子どもの負担にならない使い方を考えるとき、次のようなことが疑問にあがります。
・何時間ならいいの?
・外出先でぐずった時など、緊急事態はどうする?
・つながっていないと不安
感受性が豊かなら、「スマホを1時間みるなら苦じゃなかったけど、2時間つづけるとしんどいな」(視覚)だったり、「外出先でこの子がぐずるとすぐスマホ出してたけど、あの〇〇なら喜ぶかも?試してみようか」「リアルだとこんなつながり方もあるんだね」みたいに、自分なりの答えが見えてくる。
感受性を丁寧に扱って、外の世界からの刺激をうまく取り込んでいきましょう。
さいごに
さて。今日はスマホと感受性のお話でした。
五感も感情も、「初期反応だけ」を大事にしてみてください。自分にとっての心地よさが、きっと見えてきます。
感受性を丁寧に扱って、外の世界からの刺激をうまく取り込んでいきましょう。