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「生きづらい」を減らすために必要な土台を育む、そんな子育てにしよう

 

こんにちは。保育士セラピストmayaです。

 

先日、小学校の先生とお話しする機会がありました。

 

ルーズな子どもが増えていると嘆いておられました。ルーズとは、だらしがなく、規律が守れずズボラな様子のことです。

 

 

 

生活がルーズ

学習もルーズになる

学力が伸びない

集団生活に適さない場面が増えることもある

結果的に本人の自信が無くなる

生きづらさを小学生の年齢から感じてしまう

 

 

実際に、若者の問題点として、無気力、自立していない、積極性がない、コミュニケーション力が低い、社会性の欠如、学ぶ意欲が低いこと等が教育業界全体で問題視されています。

 

一方で赤ちゃんはコミュニケーションや積極性の固まり!にっこり笑って親を和ませたり、トイレまでママを積極的に追いかけまわしたりしてますよね。

 

この差はどこで生まれるのでしょう?

 

実は、周りの大人がこの差を丁寧に見ていくかどうかで、その子の人生は変わってしまいます。

 

 

 

この記事では、私保育士セラピストmayaが、発達心理学と保育の観点から「生きづらい子どもにしないために親が知っておくべき乳幼児期の考え方」を解説します。

 

0~6歳にフォーカスした内容に、サクッとまとめ上げています。

 

この0~6歳の過ごし方が、その後の人生を左右するんですよね。一番身近な大人である親がこの観点を持っていると、自ら伸びる力を子どもの身につけさせてあげることができます。

 

その先に「生きづらい感覚」とは無縁の幸せな人生が待っています。

 

 

本記事の内容

 

  • 「生きづらい」を減らすために必要な力とは?
  • 生きる力をどうやってつけてあげるのか
  • 積極的と無気力の境界線はどこだ?
  • 現代の子育ての一番の問題

 

 

 

 

知っているから待てる。

知っているから許せる。

知っているからできる。

 

正しい知識を持って、ゆとりある心で接してあげるきっかけになるような知識を、保育・体づくりの観点からお伝えしています。

  

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■「生きづらい」を減らすために必要な力とは?

 

あなたの人生で苦労してきたことはどんなことですか?どんなタイミングで「乗り越えられるだろうか?」「これまでの自分を試される時かも!」とドキドキしたでしょうか?

 

受験の時?

誰かに告白する時?

初めてお客様へ向き合った時?

 

 

あなたがこれまでドキドキしながら乗り越えてきたことはいくつもあります。「友達に気持ちを話す」とか「それまでの方法を変えてみる」など、日常にもたくさんあります。

 

それらを乗り越えることができないことが多すぎると、やがて「この世の中は自分にとっては生きづらい」と思いを抱えてしまう事につながるかもしれません。

 

次々とやってくる「生きる上での試練」を乗り越えていくためにあなたが親として、我が子につけさせてあげたい力は何ですか?

 

人を思いやれること、最後までやり抜く力、気持ちの良い挨拶ができること・・・などなど、考えれば考えるほどたくさん出てきますね。

 

 

 

【発達心理学・保育士の知識・セラピスト経験】をベースに、私が考える生きるために必要な力を3つ挙げてみますね。

 

1、想像力

「きっとこんなことで困っているんだろうな」と想像できることで、人を思いやる力へとつながっていきます。

 

2、コミュニケーション力

「人とつながりたい」と思う気持ちが大事。会話だけでなくアイコンタクトや手話、オンラインでのやりとりなどへつながっていきます。

 

3、集中力

自分の世界に没頭できること。大人になればなるほど時間は無くなりますから、大事だなと年々強く思います。

 

 

 

3つ挙げました。この他にも、子供の成長にあなたの考えを巡らせてみてください。

 

どれも必要なことに思えるのですが、これらをすべてを一度に子育てに持ち込むと、子どもも苦しくなります。

 

ほどほどにしてくださいね。何個くらいが適当かはこちら↓で紹介しています。

 

 

 

音声メディア 【子育て】しつけと心の整え方①子どもに身に付けてほしい力

 

 

■生きる力をどうやってつけてあげるのか

 

今お話ししたような、私たち親が思う「社会で生きていくうえで役立つ力」

 

これらの多くは社会に出てから、子どもが自分で身に付けて行きます。

 

その時の場面やシチュエーションに子ども自身が応じながら、幼稚園、保育園→小学校→中学校と少しずつ、関わる人数や求められることが上がっていく中で実に付けていきます。

 

子どもの成長は一本の木に例えることができます。

 

 

先ほど考えたのは枝葉の部分です。

 

私たちにも子どもにも、それぞれ個性があります。その子の持って生まれた特性や個性を肥料として、この木はグングン伸びていきます。

 

枝をいっぱいに広げて受け止めるのは太陽の光。光は外界のあらゆる刺激です。そしてたくさん葉を付け、花を咲かせ、やがて実をつける。

 

人としての魅力が成長していきます。

 

 

 

この木を十分に伸ばしてもらうことが子育てです。

 

十分な成長のためには、木を支えるしっかりとした根が必要。この木の根は【心の安定・快く動く・自律】という心の中の3つの軸です。乳幼児期に基礎ができます。

 

 

 

心の安定

信頼ある人間関係の中で、たくさん愛され、自らの存在を価値あるものと感じられている

 

快く動く

大好きなことや興味をもったことを何度も繰り返して行うこと。原動力。個性が出る。

 

自律

自分自身で「自分の安定した状態」を、保つことができること。

 

 

この3つを育てることこそ、乳幼児期に行っている子育てなのです。

 

しっかりした土台の上で、個性や特性をきっかけに、子ども自身でたくましく成長する。

 

そうして人は子どもから大人へと変化していきます。

 

 

 

保育園・幼稚園・こども園でも様々な角度から『子どもの基礎をつくる』意識は大事にされます。

 

常にまわりから刺激を受け、それを糧に成長している子ども達。関わる大人の言葉や行動、環境はしっかり意識をしてあげないと【心の安定・快く動く・自律】の土台は豊かになりません。

 

痩せた土には、ヒョロヒョロとした弱い根しか育ちません。

 

成長というと、「体重が増えた」「○○ができるようになった」ということに目が行きがちですが、心の成長を促すことも同レベルで大事なことなのです。

 

 

■積極的と無気力の境界線はどこだ?

 

想像してください。

 

あなたのお子様が、ハイハイが出来るようになった頃を思い出してください。妊娠中やお子様が生まれたての場合は想像してみましょう。

 

 

 

このころの赤ちゃんは、とても大事にされることを必要とします。短時間で空腹になり、排泄回数も多いのでこまめなオムツ交換も必要。安心感を得るために抱っこも多く求める。

 

そうやって自分の安心感を大好きなママやパパに全身で求めます。

 

ボールが動いた、ただそれだけで目をキラキラさせ、興味のあることへは全身を使って突き進んでいきますよね。

 

 

 

オムツが汚れた、お腹がすいた等の不快な状態から自分を安定させるために、全力で泣き叫びます。

 

心の安定・快く動く・自律を行うことに一生懸命です。これこそ生きる力。

 

今、学校で「ルーズだ」と批判を浴びている小学生や中学生も元々はこの赤ちゃんと同じ行動をしていました。

 

なぜこうなってしまったのか?その原因には次のようなことが挙げられます。

 

 

■現代の子育ての一番の問題

 

現代の子育ての一番の問題。それは乳幼児期に「木の根」のことが育ちにくいこと。

 

しっかり育てたい木の根の成長が阻まれています。現代の子育てで問題視されていることを、具体的に見ていきましょう。

 

 

人間関係が乏しい

 

人間関係は心の安定を育んでいきます。しかし核家族化や兄弟の数が少ないこと、また地域でのつながりが少なくなっていることなどから、育ちにくい環境です。

 

子どもらしく遊べていない

 

「子どもらしく遊ぶ」時間はどんどん減っています。預かり保育・延長保育で園にいる時間が長くなり、家にいる時間の平均は5年間で約60分減りました。保育園や幼稚園以外でお友達と遊ぶ機会も減っています。またテレビを一日2時間以上みる乳幼児は5割に達しています。また、自由に遊ぶ場所が少ないことも理由のひとつですね。(データは(株)ベネッセコーポレーション2015年調査のもの。以下のデータも同様です)

 

 

 

 

スキルだけに偏った早期教育

 

1~6歳の48.6%が習い事をしています。水泳、通信教育、体操、英会話など。目に見えるスキル(枝葉)の教育にはとても熱心です。木の根は人格形成の基盤ですが、そこを整える事にはあまり目が向いていません。

 

生活リズム

 

生活リズムでは、働く母親が増えたことにより帰宅時間が遅い背景もあり、22時以降に就寝する子どもの数が全体では23%、3~5歳児では40%いるデータもあります。

 

 

しつけの意識の変化

 

 

「家族やまわりの人にあいさつをする」「箸で食事をする」「オムツをしないで寝る」の3つは目立って達成率が10年前から下がっています。オムツやトレーニングパンツの機能はあがりました。またトイレトレーニングや睡眠や食事に関するステップアップは「難しいこと」ととらえる親が増えています。

 

 

 

発達に関する達成率は、すべての年齢で下がりつつあります。5、6歳児であってもできない課題が増えてきている事実は、親として知っておくべきでしょう。

 

できない理由がそれぞれにありますが、それらが小学校入学後、子どもの世界が一気に広がる時にマイナスになるかもしれないことは放っておけません。

 

 

恐いことも書きましたが、現状を客観的に知り、それらもふくめて「木の根」をどうやって育んでいくか。それを考えられる子育てが、現代に必要な子育てです。

 

 

乳幼児期の子育てをつくっていこう

 

今日の内容をまとめます。

 

生きるために必要な力の根底には【心の安定・快く動く・自律】があります。そして現代の子育ては子どもの基盤が整いにくいことを知りましょう。

 

そのうえでどうやって育んでいくかを考えることが大切です。

 

問題点を押さえ、「どうすればクリアできるか」と考えていけば、「生きづらい」を生む子育てを減らしていくことができます。

 

そしてこの話は、大人にもつながる話です。自らが求める事と、求められることのバランスが取りづらくなってくる大人世代の方にも、この記事が参考になれば幸いです。

 

 

 

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